ご挨拶

このたび、肝移植内科研究会を発足し、その代表幹事を務めさせていただくこととなりました宮明寿光です。会員の皆様ならびに関係各位に、謹んでご挨拶申し上げます。

現在、肝移植医療は末期肝不全、急性肝不全、などに対する有効な加療として確立されています。しかし、肝移植を安全かつ適切に実施し、移植後の長期予後および生活の質(QOL)を向上させるためには、移植手術のみならず、術前の適応評価や全身管理、感染症対策、栄養管理、さらには術後の免疫抑制療法、拒絶反応や胆道合併症への対応、原疾患の再発予防など、継続的かつ専門的な内科診療が不可欠です。

肝移植内科医には、患者の病態を長期的な視点で捉え、移植外科医をはじめ、移植コーディネーター、感染症科、放射線科、病理診断科、精神科、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床工学技士など、多岐にわたる専門職をシームレスにつなぐ役割が求められています。また、患者とそのご家族に寄り添い、移植前から術後、さらには社会復帰に至るまで切れ目なく支援することも、我々肝移植内科医の重大な使命です。

しかしながら、わが国において肝移植医療に専門的に携わる内科医の数は限られており、その役割や診療体制も施設ごとに異なっているのが現状です。肝移植医療のさらなる発展には、各施設の経験や知見を共有し、わが国の実情に即した標準的な診療体制を構築するとともに、次世代を担う人材を育成していかなければなりません。

本研究会は、肝移植に関わる内科医が施設や地域の垣根を越えて交流し、臨床上の課題を共有するとともに、共同研究、教育、人材育成、国内外への情報発信を推進することを目的として立ち上げられました。移植前後の診療におけるエビデンスの創出、診療の標準化、多職種連携の強化、そして若手医師への教育機会の充実に注力してまいります。

本研究会が、肝移植内科医のみならず、肝移植医療に携わるすべての医療者にとって、学び、語り合い、協働するプラットフォームとなることを願っております。そして、本会の活動が患者とそのご家族の希望へとつながるよう、会員の皆様とともに全力を尽くしてまいる所存です。 今後とも、肝移植内科研究会の活動に、皆様の温かいご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

肝移植内科研究会 代表幹事
 宮明 寿光
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科消化器内科学